登録支援機関に業務を委託すれば、特定技能外国人の採用に関わる煩雑な業務への手間は激減する反面、毎月コストがかかります。
コストがかかる以上「自社内で対応すれば良い」という声があがるのは必然で、責任者や担当の立場からすると悩ましいところです。
ですが、特定技能外国人の採用・就業を進めていくのであれば、できる限り登録支援機関へ業務委託することをオススメします。
その理由を、本記事では詳しく解説していきます!
登録支援機関とは?

登録支援機関とは、特定技能外国人を受け入れる企業(施設)に代わり、「支援計画の実施・作成」「地方出入国在留管理局への対応」などを実施する機関のことです。
登録支援機関は、民間企業や行政書士など、団体でも個人でも登録することができますが、一定の要件を満たさなければ登録することができません。
登録支援機関の役割
登録支援機関は、特定技能外国人に円滑に働いてもらうためのプロです。
本来は、特定技能外国人に対し、受け入れ企業(施設)が支援計画を作成して実施する必要があります。
しかし、「人手が足りない」「採用予定の特定技能者と円滑にコミュニケーションが取れない」「現地でのライフラインを整えることが困難」など、さまざまな理由から受入れ施設での支援がむずかしい場合が多いです。
このような受け入れ施設に対し、登録支援機関が支援業務の全部または一部をサポートする役割を担っております。
登録支援機関に委託するかどうかの判断基準

無駄な費用はかけたくないし、自社で何とかなるんじゃないか?
特定技能で外国人介護士を受け入れる場合は、現制度で最長5年間です。
その間の、生活支援、母国語でのコミュニケーション、地方出入国在留管理局への定期報告、諸々の書類作成などが、継続的に実施できるかどうかで、判断をするのが良いでしょう。
特定技能外国人を受け入れる場合の具体的な支援業務は下記にまとめましたので、イメージが湧かない場合は、業務内容を見て判断するのもアリです。
特定技能外国人への義務的支援

特定技能外国人に対しては、10項目の義務的支援が必要です。
基本的には継続的な支援になりますので、これらの業務に割く人的コストがあるかを判断して、自社対応か登録支援機関への業務委託かを決めるのが望ましいです。
- 事前ガイダンス
- 出入国する際の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続き等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(人員整理等の場合)
- 定期的な面談・行政機関への通報
これら10項目の義務的支援について詳しくみていきましょう。
※画像は在留資格「特定技能」についてを参照
事前ガイダンス

特定技能外国人に対して、労働条件などさまざまな事前ガイダンスをする必要があります。
- 特定技能雇用契約の内容
- 特定技能の在留資格でできる日本での活動内容
- 上陸および在留のための条件
- 日本で在留する際の注意事項
これらの項目は、特定技能外国人が理解できる内容でなければいけません。
そのため、母国語でのコミュニケーションを取る必要性も大いにあります。
出入国する際の送迎

特定技能外国人を受け入れる事業所側には、送迎業務が必須となります。
送迎業務の義務は、出入国する際にのみ発生し、入国する際の空港や港から、勤務先の事業所や生活する住居が対象になっております。
ただし、本人が一時帰国する場合などについては、送迎の義務はありません。
住居確保・生活に必要な契約支援

特定技能外国人の方の住居を探したり、必要なインフラを整備する義務がございます。
受け入れ事業所や、登録支援機関が寮を所有している場合は、手続きがスムーズに進むことが多いです。
寮の手配が難しい場合は、生活できる物件を探すところから始めないといけませんので、対応する項目が1つ増えることとなります。
生活オリエンテーション

事前ガイダンスと同じく、生活オリエンテーションについても、特定技能外国人が理解できる言語で説明をする必要があります。
生活オリエンテーションとは、日本で日常生活を送るうえでのルールやマナー、必要最低限の手続きなど多岐にわたります。
公的手続き等への同行

特定技能外国人が公的手続きに困っている場合には、必要に応じて手続きの補助を行う必要があります。
日本語学習の機会の提供

受け入れ事業所側は、特定技能外国人に対して日本語学習の機会を提供する必要があります。
提供する必要があるのは、下記いずれかの内容です。
- 日本語の教育機関の情報を提供し、必要に応じて入学手続きのサポートをする
- 教材や講座の情報を提供し、必要に応じて入手手続きのサポートをする
- 企業が日本人教師と契約を結び、日本語講習を提供する(ただし特定技能外国人と合意の上で)
相談・苦情への対応

特定技能外国人の方に、長く安心して働いてもらうために、相談や苦情をぶつける場所を作ってあげるというのはとても大事な点です。
特に、特定技能外国人の母国語でのコミュニケーションが取れることが望ましいです。
これは、日本語ではうまく考えを伝えられず、正確な意思疎通が困難なことがあるためです。
また、仕事上の相談だけでなく、生活上の相談事にも対応できる必要があるので、休日などでも対応できる環境づくりが大切です。
日本人との交流促進

こちらは義務として、日本人と交流する機会の場を提供する必要がございます。
転職支援(人員整理等の場合)

会社都合で特定技能外国人との雇用契約を解消する場合は、転職支援を実施する義務があります。
次の就職先を探したり、推薦状を書いたり、有給休暇の付与や行政手続きなど、次の就業先が決まるようサポートが必要です。
定期的な面談・行政機関への通報

特定技能外国人を受け入れた場合は、定期面談が義務となっており、面談内容を行政機関へ報告する必要もあります。
法律上、違反が認められた場合はその内容についても報告の義務がありますので、日ごろからコミュニケーションを取っておくのも大事です。
特定技能外国人への任意的支援

義務的支援にあげた10項目の中に、受け入れ企業側の任意でサポートするかしないかを判断できる項目があります。
義務的支援を行う中で、付随的に発生してしまうものも中には含まれるので、明確に線引きをする必要はありません。
- 日本での生活水準(生活に必要な費用など)や、日本の文化・気候など、業務とは別に、日本での生活についての詳細
- 在留資格を変更した際の送迎や費用負担
- 雇用契約が終了した後の住居の提供(次の就業先が決まるまでの間)
- 公的手続きなどへの同行
- 特定技能外国人の日本語教育への経済的支援
- 日本人との交流のためのイベント参加時のシフト調整など
- 雇用契約解除後の継続的な転職支援
- 生活上で起こりうるトラブルが発生した場合の一次連絡先の共有
登録支援機関の選び方(介護業界)

サポート可能な言語や国籍で選ぶ
採用した特定技能外国人が得意とする言語で、コミュニケーションが対応可能な登録支援機関を選びましょう。
円滑なコミュニケーションをとるためには、言語は重要なポイントです。
また、外国籍のコーディネーターが在籍している登録支援機関もありますので、そういったところを選べたらベストです。
業務委託費用で選ぶ
業務委託費用は毎月かかるものです。
登録支援機関によって、定額料金のところもあれば、対応業務によっては追加料金になるところなど、費用はさまざまです。
登録支援機関の業種で選ぶ
特定技能外国人の人材の提案から、就業中のフォローまで一気通貫でお願いしようとしている場合は、登録支援機関として登録がある人材紹介会社を選ぶのがおすすめです。
人材紹介はA社、登録支援機関はB社にするよりも、トータルコストを抑える交渉もしやすいです。
ただし、登録支援機関は行政書士などの個人でも登録が可能ですので、人材会社はA社、登録支援機関はもともと付き合いのある行政書士Cさんなど、すでにお付き合いなどがある場合はその限りではありません。
ですが、採用予定の特定技能外国人の国籍によっては、コミュニケーションの面でそもそも対応が難しい場合も想定しておきましょう。
登録支援機関の所在地で選ぶ
必要に応じて現地まで足を運んでほしい場合は、登録支援機関の所在地にも気を付けておきましょう。
たとえば、人材の紹介も同時にお願いする可能性がある場合は、地域をわかっている方が何かと融通が利くでしょう。
登録支援機関の費用相場

登録支援機関への業務委託料は月2~3万円が相場です。
ですが、スタッフ満足では月1.6万円の業務委託料で対応しておりますので、毎月のコストも手間も最小限にすることができます。
安さの秘密は、グループ会社含め約350名の外国籍の介護スタッフの採用・就業サポート経験があり、実績とノウハウがそろっているためです。
管理コストや、登録支援機関のサポート体制に少し気になっているところがあれば、お悩みをお聞かせください。
受け入れ施設(特定技能所属機関)の注意点
受け入れ施設・事業所が注意したい点としては、法令の遵守です。
- 「外国人」という括りで、日本人の従業員と同等かそれ以上の給料の支払いがされていない
- 給料を手渡しで支給している
- 残業や休日出勤など無理なシフトで働かせる
- 業務内容が偏っている
など、特定技能外国人に対して不利な内容で働かせることは決してあってはなりません。
受け入れ施設側が、法令を遵守していない場合は、特定技能外国人が辞めてしまい結局のところ人手不足に陥ります。
また、労働や社会保険、税金関係の法令はもちろんのこと、特定技能外国人に対して適切なサポートが提供できていないと判断された場合、特定技能所属機関としての登録が無効になるなり、ひどい場合は行政処分が下ることも可能性としてはあります。
知らぬうちに、必要な支援を怠っていたとならないよう、制度の定期的な確認も必要です。
支援業務を介護施設が内製化する場合は?

まず、特定技能外国人への支援やサポートを行う、支援責任者を任命します。
それから、特定技能外国人の受け入れ施設は「特定技能所属機関」と呼ばれ、出入国在留管理庁に対して、定期的または随時、各種届出をしなければなりません。
各種届出を行ったうえで、
- 特定技能所属機関として法令に順守すること
- 特定技能外国人と交わす雇用契約が適切であること
- 10項目の義務的支援を行う体制があり、支援計画が適切であること
これら大きく3つのことが求められます。
支援業務を内製化する場合は、特定技能の制度を理解し、煩雑な事務手続きなどを実施できる体制を企業側で整える必要があるので、ハードルはやや高めでしょう。
長く付き合える登録支援機関を選ぼう
登録支援機関は、受け入れ施設と一体となって特定技能外国人のサポートをしていきます。
付き合いが長くなるほど、施設内の内情を知ってもらい、手間なくサポートしてもらいやすくなります。
特定技能外国人が安心して就業ができるように、実績のある登録支援機関を選びましょう。
スタッフ満足の紹介
私たち スタッフ満足 は、大阪、京都、兵庫、奈良で老人ホームを約50施設運営している株式会社スーパー・コートのグループ会社として、介護、看護に特化した人材派遣と人材紹介を行っております。
登録支援機関としても登録があり、グループ全体で350名の外国人介護士が在籍してますので、採用・就業ノウハウも豊富です。
特定技能外国人の採用や、登録支援機関でお悩みの場合は、私たちにご相談ください!
管理コストや、登録支援機関のサポート体制に少し気になっているところがあれば、お悩みをお聞かせください。